10年間を振り返ってみる

正確に言うと10年半か・・・。


今考えるとあの就職難の時代、よくぞあっさり就職できたなと思う。よく考えれば運がよかった。


「やりたいことが見つからないから」と大学に行く気もさらさらなく、そのころはまっていたファイナルファンタジーのようなゲームが作りたくてゲームクリエーター養成の専門学校に行こうと画策するも、あっさり親に却下された。まぁ専門学校の学費自体とんでもないものだったが。


ちゃんと学校見学なんかも行って、自分ではわりと本気だったのだけど、今考えれば賢明な選択だったと言えよう。


自分がなりたかったのはシナリオライター。普段本とか文学作品と呼ばれるものもろくに読まない自分がどんな形であれ物書きになるのは恐らく無理だっただろう。


「そういうものを読んでいなければ優れたライターにはなれないのか?」とか聞かれれば「否」と答えるが、今こうして個人的趣味の範疇でブログのようなものを書いているけれど、自分の書いたものが客観的に判断されるような場所に出せるほどのものではない、ということに日々書いた自分のブログを読み返しながら痛烈に思う。


中学生の時に最優秀賞をもらった読書感想文が恐らく今まで最も人に評価された文章ではなかったかと思う(笑)。


大学に行く気もない、かと言って卒業してプラプラフリーターみたいなこともしたくない。ならばいっちょどこかの面接でも受けてみるかと日曜日の新聞に折り込まれる求人情報を見て初めて電話したのが今の会社だった。


真面目に就職活動をしてなかなか内定がもらえず苦労した経験のある人には申し訳ないが、びっくりするほど簡単に就職が決まってしまった。


そして何気なく電話をして入ったその会社で、僕には素晴らしい出会いが待っていた。


今でこそ引退しているが、会社の前社長である。詳しいことは前にも書いた


この人との出会いが人としての自分の進むべき方向を確固たる物としたし、それは今でも変わらない。


この間家の契約が済んだ時、自宅が不動産会社から近かったので事前連絡ナシで電話をかけてみた。残念ながらその時は出かけていて会えなかったのだけど今の仕事を辞めるということ、新しい仕事についても電話で話した。落ち着いたらまた連絡をしようと思っている。


時は経ち、10年目を迎えようかとなった時に自分なりにいろいろ考えた。


来年はもう30歳。転職するとしても一般的にはそろそろ限界の年齢。家庭を持っているわけでも、結婚を間近に控えているわけでもなく、自分の親が具合が悪くて面倒を見なきゃならないわけでもない。


昇進もしたけれど、今の自分の待遇、環境、やる気、この先ずっとここでやり続ける覚悟はあるのか、この仕事に未来はあるのか、そして自分はそれを心から望んでいるのか・・・と。


そんな悩んでいる時期に新しい仕事の誘いを受け、ふたつを天秤にかけてかなり悩みに悩んで出した結論が今回の転職という決断だった。


打算的に言うならば、今の会社にいれば人並みの生活はできただろうし、黙ってやってれば昇進も自動的にしていったはず。だけどあえてリスキーかもしれないほうを選んだ。それを選んだことで自分の中でとても大きかった大事なものをひとつ失う結果にはなった。悲しいことだけどこれはこれで仕方のないことでそれでも人は前に進まなきゃいけない。


もう後戻りはできないし、その日が近づくにつれて不安感が増してくる。


だけどやるしかないのだ。


notihingness to revolutionですよ。