ししまる逝く

夕方家に帰ってきてししまるの様子を見ると、やはり具合は変わらず悪そうだった。


うちに来てからトイレやシート以外の場所でおしっこをしたのは最初に来た日の夜以外は今まで一度もなかったのに、リビングで横になっていたししまるは動くこともできずおしっこをじゅうたんにした。


具合が悪くなってからも、足取りがふらつきながらもちゃんとトイレやシートの上まで行ってしていたのに、今日の夜は動くこともできなかった。


ししまる用に作ったシートがひいてある場所に移して様子をちょくちょく見ていた。


最初はぐったりしていたが、だんだん口が開きっぱなしになり息づかいが苦しそうになってくる。


ついには迫り来る何かと戦うように、何かに抗うように体を起こしては倒れて頭を壁にぶつけたり、一生懸命腕を伸ばしたり、壁やマットを引っ掻いたりした。一生懸命生きようとしていた。


ここで寝ていた家族を起こした。


しばらくみんなで様子を見守っていたが、今度は何かを吐き出そうとする。寝転がったままでは吐き出せないので体を抱き起こす。抱き起こした時、必死に何かを訴えかける目をするが、すぐに焦点が合わなくなる。


なんとか吐かせようとするが、吐き出す力もないのかなかなか吐き出せない。


そして何度かそれを繰り返した後、フーッと大きな息を吐いて息を引き取った。最後は僕の腕の中で亡くなった。最後の瞬間は家族全員で看取ることができた。


「もう長くない」と獣医さんに言われてわずか1日。


2005年10月25日にうちにやってきたししまるは今日その生涯を終えた。


推定でまだ8歳。普通の猫の寿命からすればまだまだ生きられるはずなのに・・・。



ししまる今までありがとうね。


ししまるのおかげで僕ら家族がどれだけ救われたことか。


別れるにはまだ早いけど、ここでお別れだね。